父親が癌になってから、完全に家は変わりました。
きっとお互い沢山道を間違えて、一緒に歩いて来たんだろうと思います。
1人暮らしを始めて、余計な考えが止まらなくなり睡眠薬を大量に飲んだ夜があります。
2日間の記憶が飛びました。
眠れない日が続いて精神科へ通う日々もありました。
どんどん薬が効かなくなって、どんどん薬の量が増えて、お金が無くなったから通えなくなって、毎日酒を飲む日々が続いています。
その時必ず思うのは、完全に変わった家の事と変わる前の家の事。
実家へ帰った時、母親は毎回私に謝るんです。
「あの頃はごめんね」と。
父親は毎回言います。
「もう怒ったりして後悔はしたくない」
それを言われた時、皆さんならどう思うでしょうか。
自分は言われた時、全てを許します。
「なんの事?」ととぼけ、「まあ人間だから間違える事は沢山あるよ」と。
じゃあどうして毎日酒を飲んだり寝れなくなったりするんでしょうか。
きっとどこかで、子供の頃の自分が全てを受け入れられず、恨んでいるからです。
親を許したいのはもちろん、そんなの都合よくない?とふと思うんです。
やった方は謝って許されればそりゃ良いだろう。でも許す方は許したくてもふとした時に思い出して、涙が出て、眠れない。
前の様に親が暴力を振るわないからもう愛されていない、親不孝者。
そんな事を考える自分すら嫌になって、嫌いになっていく。
周りはどんどん先へ進んでいるのに、自分はまだ取り残されて、あの頃を取り返そうともがいている。
とても不平等じゃないか。
今の自分は側から見れば、やりたい事ひたすらやって、何も考えてなくて本当に羨ましい。と色々な方に言ってもらえますが、自分からすれば自分はいつまでも子供時代に取り残されて成長できないままで、周りは過去に囚われず時間通りに成長していて羨ましいなと思います。
隣の芝は青く見えるってやつでしょうか。
でも最近、徐々に過去の記憶が薄れています。
まだまだ思い出す事もありますが、全て踏まえた上で笑い話に出来る様に、ゆっくりと時間が解決しているんですかね。
それよりも何よりも、今年20歳になってうっすら見えていた人生設計が段々明確に見えてきたからだと思うんです。
自分の人生、早めに幕を閉じそうです。