人生vol.6

コロナ禍から学年が上がる頃、ひたすら現実から逃げようと薬を大量に飲む日々。

 

実家に居るのをやめ、祖母の家に住みました。

 

現状は変わらなくても、少しでも気が楽になれると思いました。

何もなく、ひたすら流れる日々、泣きながら母親に謝罪をする日もありました。

家に閉じ込められる事も、死んでしまおうと思った時もありました。

 

 

それでもひたすら友人と支え合って、生きる道を照らし合いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

長いコロナ禍が終わり、学校が始まって、全てを受け入れ、薬を飲むのも辞めてからは生きやすくなりました。

 

世の中には色々な人がいる、と飲み込めたんだと思います。

 

 

 

高校三年生、音大に行く事を決めました。

 

これまでずっと音楽だけを頼りに生きて、楽団で打楽器や演奏の楽しさを知って、あれだけ強要されていた音楽を自らやりたいと思えた事

これしか進む道がない、と思いました。

 

 

 

音大も無事に入学。

相変わらず友達は暫く出来ませんでしたが、やりたい道が出来たのは自分にとっての大きな一歩だと思います。

 

 

 

 

 

きっと親自身も、何かに気付いたんでしょうか。

暴力を振るう事も無くなりました。

 

でもそれを自分は愛されていない、と感じる様になっていました。

貴方のことを考えているからやっていると言われていた日々、それが急に無くなってから思ったのは安堵ではなく不安でした。

 

そんな不安が続く中、父親が搬送されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

正直、自分の家庭環境に気付いた時親には恨みしかありませんでした。

これからもきっとずっと恨むだろう、そう思っていました。

何かを悪者にすれば自分は救われるから、ずっと恨み恨まれる関係でいたかったのかもしれません。

 

 

 

 

 

父親は、癌でした。

 

 

 

 

 

 

 

あんなに恨んでいた筈の親が、いざとなるとこんなに悲しいなんて、どれだけ自分は都合がいいんだろうと思いました。

 

 

あんなに恐かった父親、あんなに暴力を振るってきた母親を今は支えたいだなんて、自分はまだ洗脳されているのか?

いや、そもそも強要されていた音楽の道に進むなんて結局親の犬じゃないか?

自分は何をしたら正解で、何をしたら報われるんだ?

 

 

 

 

 

今でも正解は見つかりません。

 

続く