人生vol.2
そろそろ父親の話でもしましょうか。
私は幼少期、父親が大嫌いでした。
きっと母親から聞く先入観のせいでしょうか。
それよりももっと、奥底にある本能的な部分で恐怖を感じていました。
何を考えているか分からない。
いつも笑っているが急にスイッチが入り本気でぶつかって来る父親に、恐怖というか狂気の様なものを感じていました。
姉の自殺未遂があった後、家庭は少しどんよりとしていました。
唯一何も知らない自分は普段通り過ごしていました。
やればやる程母親に喜ばれる問題集をひたすらに解き続ける日々。
その頃自分は母親の忠犬でした。
母親にやれと言われたら、全てやる。
そうすると母親が喜んでくれて、愛してくれるから。
やらなかったら冷たくあしらわれて、見捨てられるから。
母親の期待に添えず散々暴力を振るわれた後、数週間口を聞いてもらえない時もよくありました
そんな中、父親はふと自分に聞きました。
「何か将来やりたい事あるの?」
本当は絵を描くのが好きだから、絵を描き続けたい。
でも母親には「バカみたいな絵を描くな」と言われるから、そんな事言えるはずも無く
「ないよ」と答えました
すると父親は言います。
「やりたい事ないの?じゃあ死ぬしか無いじゃん!今から殺してやるよ。」
その時、身体の底から恐怖を感じたのを感じます。
元からよく冗談を言う人だったけど、あの時はきっと心の底から言っていたと思います。
車の鍵を手に取り「近くに川あるから」と身支度をする父親。
そこからあまり記憶はありませんが、なんとか思い止まったというか、思い止まらせた気がします。
初めて、父親の狂気を実感しました。
きっとただの気の迷いだと、今でも言い聞かせている自分がいます。
小学6年、ずっと続けていたピアノを辞めました。
母親に辞めろと言われたから。
過去に何度か説教をされて、「もう辞めろ」と怒られ「続ける」と言っても「辞める」と言っても殴られていましたが、今回ばかりは勉強に専念する為に辞めろと。
その代わり塾に入りなさい、と私は入塾する事になりました。
フルートやバレエ等色々な習い事をしましたが、塾は初めてでした。
塾に通って数ヶ月、母親は「こんな所行かなくても大丈夫だよね」と辞める事になりました。
友達との別れは悲しいけど、なんせ受験しなくていいものですからそう考えるのも別にしょうがないなと、今では思います。
そうして、中学校へ進学しました。
続く